2022.01.27
介護施設従事者の85.3%がクラスター発生を不安視 過度な対策は利用者のストレスに直結するとジレンマも
〜コロナ禍の冬、「空気の見える化」で安心できる空気環境に期待 介護施設従事者109名対象「介護施設内のコロナ対策」に関する調査実施〜
「顔の見えるライフスタイル」の実現を目指す株式会社UPDATER(10月1日みんな電力株式会社より社名変更、所在地:東京都世田谷区、代表取締役:大石英司)のエアテック事業「みんなエアー」(https://minnaair.com/)は、介護施設従事者109名を対象に、「介護施設内のコロナ対策」の実態調査を実施しました。
■調査概要
調査概要:「介護施設内のコロナ対策」の実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年11月26日〜同年11月28日
有効回答:介護施設従事者109名
https://minnaair.com/blog/3431/
■サマリー
■介護施設の95.4%がコロナ対策を実施
「Q1.あなたのお勤め先ではコロナ対策を実施していますか。」(n=109)と質問したところ、「入念にコロナ対策を実施している」が49.5%、「コロナ対策を実施している」が45.9%という回答となりました。
・入念にコロナ対策を実施している:49.5%
・コロナ対策を実施している:45.9%
・あまりコロナ対策を実施していない:2.8%
・全くコロナ対策を実施していない:0.9%
・介護施設に勤めていない:0.9%
■コロナ対策をする52.9%の介護施設が、「空気改善機器による対策」を実施
「Q2.Q1で「入念にコロナ対策を実施している」「コロナ対策を実施している」と回答した方にお聞きします。介護施設ではどのようなコロナ対策を実施しているか教えてください。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「来訪者用の手指消毒用アルコール設置」が89.4%、「うがい・手洗いの徹底」が81.7%、「テーブル、ドアノブ、手すり、トイレ等のアルコール消毒」が80.8%、「空気改善機器による対策」52.9%という回答となりました。
・来訪者用の手指消毒用アルコール設置:89.4%
・うがい・手洗いの徹底:81.7%
・テーブル、ドアノブ、手すり、トイレ等のアルコール消毒:80.8%
・スタッフのフェイスシールド、マスクの着用:78.8%
・出勤前の検温:76.9%
・面会の制限:76.0%
・室内換気の励行:74.0%
・アクリルパーテーションの設置:54.8%
・空気改善機器による対策:52.9%
・フィジカルディスタンス(ソーシャルディスタンス)の確保:52.9%
・その他:5.8%
■その他には「月一回の職員の抗原検査」や「二酸化塩素による空間除菌製品を設置」などを実施
「Q3.Q1で「入念にコロナ対策を実施している」「コロナ対策を実施している」と回答した方にお聞きします。コロナ対策で実施しているものをQ2以外にあれば自由にお答えください。(自由回答)」(n=104)と質問したところ、「月一回の職員の抗原検査」「二酸化塩素による空間除菌製品を設置」など64の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・県外外出の制限と帰宅後の自宅待機。(岩手県)
・人の集まるところに行かない。(佐賀県)
・月一回の職員の抗原検査。(兵庫県)
・外部サービスの制限。(神奈川県)
・感染症に対する勉強。(京都府)
・外部のリハビリやデイサービスを禁止。(石川県)
・福祉施設なので、職員が熱を出したりその家族が体調悪かったり、県外に行くと出勤できない。(宮崎県)
・ワクチン接種。(栃木県)
・PCR検査。忘年会への参加自粛呼び掛け。市内の感染状況を毎朝礼時に確認。(神奈川県)
・発熱者隔離やゾーンの設定、またスタッフに対するマニュアル作成やコロナ患者が出た場合の対応の仕方の訓練の実施。(茨城県)
・スタッフの外食禁止。(兵庫県)
・二酸化塩素による空間除菌製品を設置。(長崎県)
・マスク着用、食事時の黙食。(静岡県)
■空気改善機器、「フィルター系」機器の採用率が6割で最多
「Q4.Q2で「空気改善機器による対策」と回答した方にお聞きします。どの種類の空気改善機器を導入していますか。(複数回答)」(n=55)と質問したところ、「フィルター系」が60.0%、「イオン系」が40.0%、「噴霧系」が14.5%という回答となりました。
・フィルター系:60.0%
・イオン系:40.0%
・噴霧系:14.5%
・オゾン系:10.9%
・UV系:3.6%
・光触媒系:3.6%
・その他:5.5%
■85.3%の介護施設従事者が、「勤務時間中の利用者からの感染リスク、クラスターの発生」を不安視
「Q5.あなたは、勤務時間中の利用者からの感染リスク、クラスターの発生に不安に感じますか。」(n=109)と質問したところ、「かなり不安」が23.8%、「やや不安」が61.5%という回答となりました。
・かなり不安:23.8%
・やや不安:61.5%
・全く不安はない:14.7%
■76.1%の介護施設従事者が、「空気の見える化」で「安心して過ごせる空気環境」を期待
「Q6.空気質の数値化など「空気の見える化」を行うことで、肺炎などのリスクを下げ、安心して過ごせる空気環境になることを期待しますか。」(n=109)と質問したところ、「かなり期待する」が23.8%、「やや期待する」が52.3%という回答となりました。
・かなり期待する:23.8%
・やや期待する:52.3%
・あまり期待しない:13.8%
・全く期待しない:3.7%
・わからない:6.4%
■76.2%の介護施設従事者が、適切な換気により「空調設備の省エネ対策」を希望
「Q7.必要以上の過剰な換気をすると空調設備のエネルギー使用量も過剰になりますが、適切な換気をし、省エネ対策も実施したいと思いますか。」(n=109)と質問したところ、「非常に思う」が23.9%、「やや思う」が52.3%という回答となりました。
・非常に思う:23.9%
・やや思う:52.3%
・あまり思わない:15.6%
・全く思わない:1.8%
・わからない:6.4%
■介護施設のコロナ対策に関して、「外に出ることの少ない利用者の制限はなるべく無い方が良い」や「過剰な対策は疲弊を生むのでバランス感覚も大事と思うが、判断根拠を定め難い」などの声も
「Q8.コロナ禍での介護施設のコロナ対策に関してあなたの考えを自由に教えてください。(自由回答)」(n=109)と質問したところ、「外に出ることの少ない利用者の制限はなるべく無い方が良い」「過剰な対策は疲弊を生むのでバランス感覚も大事と思うが、判断根拠を定め難い」など76の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・面会交流をただ無くすのではなく、ワクチン接種の有無やリモート面会等の方法を広く取れるように外部からの働きかけをして欲しい。(東京都)
・過剰な対策は疲弊を生むのでバランス感覚も大事と思うが、妥協の基準がないため、判断根拠を定め難い。(神奈川県)
・職場だけで対策をしていても職員やその家族が持ち込んでしまう可能性があるのでどこまで徹底するかが重要だと思う。(岩手県)
・手洗い、うがい、消毒、マスクの徹底、換気などの実施。(群馬県)
・陽性者を隔離するのは難しい。(東京都)
・面会制限をかける事で入居者にかかるストレスの増大。(神奈川県)
・デイサービス内で十分なコロナ対策をしていても、スタッフや利用者様が個々にしっかりとコロナ対策ができているのかという不安があり、とても心配です。(兵庫県)
・自分たちが持ち込むことが一番のリスクと考えるので、非常に怖いと思っています。(大阪府)
・外に出ることの少ない利用者の制限はなるべく無い方が良いと思う。(東京都)
・マスク等徹底しているが認知症の方は理解が難しく、完全に対策出来ないところがある。(埼玉県)
・対策はやむを得ないが、面会制限は家族には気の毒。(大阪府)
まとめ
今回は、介護施設従事者109名を対象に、「介護施設内のコロナ対策」の実態調査を行いました。
まず、介護施設の95.4%でコロナ対策が実施されており、具体的な対策としては、「来訪者用の手指消毒用アルコール設置」が89.4%、「うがい・手洗いの徹底」が81.7%、「空気改善機器による対策」が52.9%という回答が得られました。「空気改善機器による対策」を実施している介護施設の中では、「フィルター系」機器の採用率が6割と最も多いことが分かりました。空気改善機器以外のコロナ対策としては、「月1回の職員の抗原検査」や「二酸化塩素による空間除菌製品を設置」なども挙げられました。このように、ほとんどの施設でコロナ対策が実施されているものの、介護施設従事者の85.3%が、「勤務時間中の利用者からの感染リスク、クラスターの発生」に不安を感じていることが分かりました。
そこで、空気質の数値化など「空気の見える化」をすることで、「肺炎などのリスクを下げ、安心して過ごせる空気環境を整える」対策に関して伺ったところ、約8割が「空気の見える化に期待する」と回答しました。また、既に実施している「コロナ対策」と並行して、「空調設備の省エネ対策」にも期待が高いことがわかりました。
一部の回答者からは、「過剰な対策は疲弊を生むのでバランス感覚も大事だと思うが、妥協の基準がないため、判断根拠を定め難い」との声も挙がり、介護施設の過度な対策が、利用者のストレスに繋がることを危惧する意見も無視できない状況となっています。
今回の調査では、介護施設にてできる限りの対策がなされているものの、施設従事者としては、常に感染やクラスター発生リスクに晒されているという不安が拭えていないことが判明しました。一方で、ただ厳しい対策をすれば良いという訳ではなく、利用者の心地よさも考慮する必要があり、バランスの難しさが浮き彫りになりました。施設従事者も利用者も安心して過ごすことのできる空間を実現するためにも、「空気の見える化」が求められているといえるでしょう。